スペインでは高級食材として扱われる亀の手ですが、料理ではどのように使われているのでしょうか?
スペインでは大変珍重されていて、よく食べられているポピュラーな食材なんです。亀の手はスペイン料理でどのような料理に使われているのか?などについてご紹介します。
スペインでの亀の手

【ぺルセベと亀の手の分類の違い】
| 分類 | ぺルセベ | 亀の手 |
| 界 | 動物界 | 動物界 |
| 門 | 節足動物 | 節足動物 |
| 亜門 | 甲殻類 | 甲殻亜門 |
| 綱 | 鞘甲亜綱 | 顎脚綱 |
| 亜綱 | フジツボ | 鞘甲亜綱 |
| 上目 | 完胸上目 | 完胸上目 |
| 目 | 有柄目 | 有柄目 |
| 亜目 | Pollicipedomorpha | ミョウガガイ亜目 |
| 科 | ミョウガガイ科 | ミョウガガイ科 |
| 属 | ポリシペス | カメノテ属 |
| 種 | P.ポリシペス | カメノテ |
亀の手はスペイン語で「ペルセベ(Percebe)」とよばれています。スペインでは希少な魚介類です。スペインで食べられているペルセベというのは、そのほとんどがスペイン北部、特に北西部ガリシア地方産です。ガリシア州でも西に大西洋、北にピスケー湾があり、中でも波が激しい北部海岸では最高級のペルセーベが獲れるとされています。
ぺルセベは「ペルセベ貝」などとも呼ばれることもあります。貝の仲間かと思うかもしれませんが、ペルセベは貝の仲間ではなくエビやカニの仲間なんです。専門的にいうと節足動物になります。日本人に馴染みがある魚介類で近縁なものを挙げると、フジツボの仲間になります。より正確にいうと、ペルセベはフジツボよりも亀の手に近縁なんです。亀の手は日本の磯岩にたくさん生息していますよね。
しかし、実は日本の亀の手とスペインのペルセベとは、同種ではありません。よくよく見比べると爪の形が違うかも?!亀の手の方が尖っています。とはいえ、かなり近縁なのは確かなんです。どちらも、節足動物門・顎脚綱・有柄目・ミョウガガイ科に属します。一方フジツボは、顎脚綱・無柄目に属する種なんです。これは、外見に基づく分類で、柄のあるものとないものとで分けられます。亀の手にも筋肉にあたる「柄」があるのですが、ペルセベのより少し短めです。
亀の手はスペイン料理ではどう食べられる?

| 食べ方 | 料理名・スタイル | 特徴 | 食べる地域 |
|---|---|---|---|
| 塩ゆで | Percebes cocidos | 海水と同じ濃度の塩水でさっと茹でる定番 | ガリシア地方 |
| シンプル提供 | 前菜(タパス) | レモンなし・調味料ほぼ不要 | バル文化全般 |
| 白ワイン蒸し | Vino blanco蒸し | 香り付け程度のアレンジ | 北部沿岸 |
| シーフード盛り合わせ | Mariscada | エビ・カニと一緒に豪華盛り | 祝祭料理 |
| グリル | 軽く炙る | 香ばしさをプラス | 高級レストラン |
ぺルセベはスペインでは、塩茹でやワイン蒸し、アヒージョなどでよく食べられます。スペイン料理として何かの料理の一品として使うのではなく、ぺルセベは余計な手を加えないでさっと茹でるだけが一番美味しいのです。爪の部分の根元をパクっといただき、溢れ出す汁を吸いつつ、外皮を剥くような食べ方をします。
亀の手はスペインではポピュラーな食べ物

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 知名度 | ★★★★★(全国的に有名) |
| 日常性 | ★★☆☆☆(毎日食べる食材ではない) |
| 価格帯 | 高級(時期により非常に高価) |
| 提供場所 | 海沿いレストラン・バル・高級店 |
| よく食べられる地域 | ガリシア州 を中心とする北西部 |
| 食べるシーン | 祝祭日・特別な外食・観光グルメ |
| 観光人気 | 非常に高い(名物扱い) |
| 漁の危険度 | 高い(断崖絶壁で採取) |
スペインの魅力は魚介類が多いことです。スペイン・マドリードのサンミゲル市場を歩くと、ワインやビールなどの飲み物から、スペインならではの食べ物がずらりと並ぶスタンドが並んでいます。
そこでも亀の手に似たぺルセベが売っています。お値段は20ユーロで2,640円くらい。安くはありませんが見た目は亀の手そっくりだし「食べると濃い味わいがある」というではありませんか!スペインでは、高級食材として扱われていますが、ポピュラーで親しまれている食べ物なんです。
ぺルセベ(亀の手)は命がけで採取される

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生息場所 | 大西洋に面した断崖絶壁の岩場 |
| 波の状況 | 強烈な荒波が常に打ち寄せる |
| 足場 | 非常に不安定で滑りやすい |
| 作業方法 | ロープで体を固定しながら手作業で採取 |
| 漁師の呼び名 | ペルセベイロ(専門漁師) |
| 危険要因 | 高波・転落・潮にさらわれる危険 |
| 収穫量 | 天候に大きく左右される |
| 価格が高い理由 | 危険性+希少性+手作業 |
ペルセベ漁は、主に夏場に行われます。この漁を専門に行う専門漁師をガリシア語で「ペルセベイロ(Percebeiro)」といわれます。専門漁師のペルセベイロ達によりぺルセベは採取されているのですが、激しく波が打ち付けられる岩場に生息するペルセベス漁は、とても危険が伴うことでも知られています。命を失うこともあり、毎年5人くらいの人が亡くなるといわれるくらいです。
ペルセベイロはロープで体を海岸につなぎ、波が岩に打ち付けた直後から次の波が来るまでのわずかな間に、岩に張り付くペルセベを素早く採取します。より良質のぺルセベを捕獲するためには荒波の日が最適だそうです。ベテランのぺルセベイロでも亡くなることもあります。そのため、毎年のようにペルセベイロが波にさらわれ、亡くなる悲しい事故が起きているのです。
最高級のペルセーベが生息するラ・コルーニャ県のコスタ・デ・モルテは「死の海岸」という意味があります。そこにあるロンクード岬には、亡くなった漁師を弔う2つの十字架があるのです。
ペルセベスを採取する様子はYouTubeでも見ることができます。想像を超えた荒波ですのでぜひご視聴ください。
ぺルセベ(亀の手)が高級食材といわれる理由

| 理由 | 内容 | 高級になるポイント |
|---|---|---|
| 危険な採取環境 | 断崖絶壁の岩場で強烈な波の中で採取 | 命がけの手作業 |
| 収穫量が少ない | 天候に左右され安定供給が難しい | 希少性が高い |
| 養殖が困難 | 自然環境でしか育ちにくい | 完全な天然物 |
| 専門漁師のみ採取 | ペルセベイロと呼ばれる熟練者が担当 | 技術料が価格に反映 |
| 味の評価が高い | 濃厚な海の旨味と甘み | グルメ需要が強い |
| 祝い事で食べる文化 | 特別な日のごちそう | ブランド価値が高い |
| 市場価格の変動 | 悪天候で価格が急騰 | プレミア感が強い |
スペインでは、国の思索でペルセベの出荷量がコントロールされることとなりました。その理由は、違法にぺルセベ漁を行う人も少なくなく、路上でペルセベを売りさばく人が後をたたないからです。ぺルセベは高額で取引されます。特にクリスマスシーズンとなれば売れるんです。
そのため、2000年3月から漁場や漁獲量に制限が設けられたほか、漁に出るには免許が必要になったのです。出荷時の成熟度も決められ、生後6ヶ月以上で全長4cm・横幅2.5cmのものしか漁獲できなくなりました。あの荒海の中、そのようなサイズのみ採取するなんて厳し過ぎですね!違法で裁く人達がいなくなることを願います。


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