「レポートの最初に概要を書いてくださいと言われたけど、何を書けばいいんだろう…」
「ビジネス文書で概要を求められたけど、書き方が分からず手が止まってしまった…」
「概要」という言葉はよく耳にしますが、いざ自分で書くとなると、その意味や目的を正しく理解できているか不安になりますよね。
この記事では、「概要」の基本的な意味から、似た言葉である「要約」や「あらすじ」との違い、そして最も重要な「分かりやすい概要の書き方」まで、具体的な例文を交えながら徹底的に解説します。
この記事を読めば、もう概要の書き方で迷うことはありません。
レポートやビジネス文書で、相手に内容が瞬時に伝わる、的確な概要を作成できるようになります。
「概要」とは?まずは基本的な意味を理解しよう
「概要」とは、簡単に言うと「物事の全体像を大まかにまとめたもの」です。
文章や計画などの全体から、大切な部分(要点)だけを抜き出して、短く分かりやすく説明することを指します。
読み手は概要を読むだけで、
「この文章(計画)には、何が書かれているのか」
「どんな目的で、どんな結論なのか」
といった全体像を、時間をかけずに把握することができます。
辞書では以下のように説明されています。
がい‐よう〔‐エウ〕【概要】
物事の全体のあらまし。大体の内容。アウトライン。出典:デジタル大辞泉(小学館)
つまり、詳細なデータや細かな説明は省き、あくまで「骨子」や「幹」となる部分だけをまとめたものが「概要」なのです。
「概要」と「要約」「あらすじ」の違いは?
概要と混同されやすい言葉に「要約」と「あらすじ」があります。
それぞれの意味と目的は異なり、使い分けが必要です。
| 言葉 | 意味 | 目的 | 主な使われ方 |
|---|---|---|---|
| 概要 | 全体のあらまし・大枠 | 全体像を素早く理解してもらう | レポート、論文、企画書、事業計画書 |
| 要約 | 文章の要点を短くまとめたもの | 本文を読まなくても内容を理解してもらう | ニュース記事、学術論文、書籍の紹介 |
| あらすじ | 物語の始めから終わりまでの流れ | 物語のストーリー展開を伝える | 小説、映画、ドラマ、漫画 |
「要約」との違い
「要約」は、元の文章の要点を忠実に抜き出して短くまとめたものです。
要約を読めば、本文を読まなくても内容がほぼ理解できる必要があります。
一方、「概要」はあくまで全体像を掴むためのものです。
詳細までは含まず、「この先にはこんなことが書かれていますよ」という道案内の役割が強いと言えます。
「あらすじ」との違い
「あらすじ」は、小説や映画などの物語(ストーリー)の展開を時間軸に沿って説明するものです。
登場人物や事件の発生、結末までの流れを追って説明します。
「概要」は物語だけでなく、レポートやビジネス文書など、より幅広い対象に使うことができます。
また、必ずしも時間軸に沿って説明するわけではなく、目的や結論といった構成要素を説明します。
なぜ概要は重要?ビジネスやレポートで求められる理由
なぜ多くのレポートやビジネス文書で、冒頭に概要の記載が求められるのでしょうか。
その理由は、読み手の時間的コストを大幅に削減できるからです。
ビジネスパーソンや大学の教授など、多くの文章に目を通さなければならない人は非常に多忙です。
数十ページにも及ぶ企画書やレポートを、最初から最後までじっくり読んでいる時間はないかもしれません。
そんな時、冒頭に優れた概要があれば、読み手はわずか1〜2分でその文書の全体像を把握し、
「これは自分に関係があるか?」
「読むべき価値があるか?」
「結論は何か?」
を判断できます。
概要が分かりやすければ、その後の本文もスムーズに読み進めてもらえ、内容の理解度も格段に上がります。
つまり、概要は読み手に対する「思いやり」であり、自分の伝えたいことを効果的に届けるための「戦略」でもあるのです。
【3ステップで完成】分かりやすい概要の書き方
それでは、実際に分かりやすい概要を書くための手順を、3つのステップに分けて解説します。
この手順に沿って進めれば、誰でも的確な概要を作成できます。
ステップ1:全体の構成要素を洗い出す
まず、概要を書きたい文章全体の構成要素を全てリストアップします。
本文を書き終えてから、この作業を行うのが最も効率的です。
一般的なレポートや企画書であれば、以下のような要素が考えられます。
- 背景・現状の課題:なぜこのレポート(企画)が必要なのか
- 目的:このレポート(企画)で何を達成したいのか
- 提案・調査内容:目的を達成するために何をするのか
- 結果・結論:提案や調査によって何が分かったのか、どうすべきか
- 今後の展望:結論を踏まえて、これからどうしていくのか
これらの要素を、箇条書きでメモ帳などに書き出してみましょう。
ステップ2:各要素から要点を抽出する
次に、ステップ1で洗い出した各構成要素の中から、「これだけは絶対に伝えなければならない」という最も重要な一文(要点)を抜き出します。
ここでのポイントは、ダラダラと長く書かないことです。
各要素について、40〜50文字程度の短い文章でまとめることを意識しましょう。
(例)「若者のテレビ離れ」に関するレポートの場合
- 背景:スマートフォンの普及により、若者の可処分時間の多くがSNSや動画アプリに費やされている。
- 目的:若者のテレビ視聴の実態を調査し、テレビ離れの原因を特定する。
- 調査内容:10代〜20代の男女300名を対象に、メディア利用に関するアンケート調査を実施した。
- 結論:テレビを見ない最大の理由は「リアルタイムで視聴する必要があり、時間的制約が大きいから」であった。
- 今後の展望:今後は、インターネットでの同時配信や見逃し配信の強化が急務である。
ステップ3:抽出した要点を繋ぎ合わせ、文章を整える
最後に、ステップ2で抽出した各要素の要点を、論理的な順序で繋ぎ合わせます。
そして、「したがって」「この結果」「今後は」といった接続詞を適切に使い、一つの自然な文章として整えます。
この時、PREP法(結論→理由→具体例→結論)を意識すると、より説得力のある構成になります。
概要の場合は、「本レポートの目的・結論(Point)→背景(Reason)→調査内容(Example)→今後の展望(Point)」のように組み立てると分かりやすいでしょう。
文章が完成したら、必ず読み返して、誤字脱字がないか、専門用語を知らない人でも理解できるかを確認してください。
【シーン別】すぐに使える概要の例文
ここでは、大学のレポートとビジネスの企画書という2つのシーンを想定して、概要の具体的な例文を紹介します。
例文1:大学のレポート
テーマ:「現代社会におけるSNS疲れの原因とその対策に関する考察」
【概要】
本レポートは、現代の若者を中心に広がる「SNS疲れ」の主な原因を特定し、その具体的な対策を提案することを目的とする。背景として、SNSの常時接続性がもたらす他者との過剰な比較や、承認欲求へのプレッシャーが心理的負担となっている現状がある。
そこで、大学生200名へのアンケート調査と文献調査を実施した結果、「投稿への過剰な反応の期待」と「他者のキラキラした投稿との自己比較」が二大要因であることを突き止めた。
結論として、SNSとの健全な距離を保つための「デジタル・デトックス」の実践や、情報受信の範囲を意図的に狭める「情報フィルタリング」が有効な対策であると提案する。
例文2:ビジネスの企画書
テーマ:「新商品・サブスクリプション型コーヒーメーカーの販売企画書」
【本企画の概要】
本企画は、高品質なスペシャルティコーヒーを自宅で手軽に楽しめる、月額制の新型コーヒーメーカー「おうちバリスタ」の販売戦略を提案するものである。現在、コロナ禍以降の巣ごもり需要により、国内の家庭用コーヒー市場は5%の成長を続けているが、一方で「毎回豆を選ぶのが面倒」「器具の手入れが大変」といった潜在的な不満も存在する。
そこで本企画では、①毎月、専門家が厳選した2種類のコーヒー豆を自動で配送し、②使用後のカプセルは回収、メンテナンスも代行するサブスクリプションモデルを導入する。
これにより、顧客体験を最大化し、競合他社との差別化を図る。初年度の売上目標を5億円、会員獲得数を3万人とし、3年後のシェア5%獲得を目指す。
概要を書く際に注意すべき3つのポイント
最後に、より質の高い概要を作成するために、注意すべき3つのポイントを紹介します。
1. 個人的な意見や感想は含めない
概要は、本文の内容を客観的にまとめたものです。
「〜だと思う」「〜だと感じた」といった、書き手の個人的な意見や感想、推測を含めてはいけません。
あくまで本文に書かれている事実やデータに基づいて、淡々と記述しましょう。
2. 概要だけで完結させない
概要は、本文へといざなうための「入り口」です。
概要を読んだ読み手が、「もっと詳しく知りたい」「本文も読んでみよう」と思えるように書くことが理想です。
詳細なデータや専門的すぎる解説は避け、興味を引くキーワードを盛り込みつつも、詳細は本文に譲るようにしましょう。
3. 本文を全て書き終えてから書く
概要は文章の冒頭に配置されますが、執筆するタイミングは一番最後です。
本文を全て書き終え、全体の構成や結論が確定してからでないと、正確な全体像をまとめることはできません。
焦って最初に書こうとせず、まずは本文の完成に集中しましょう。
【FAQ】概要についてよくある質問
Q1. 概要はどのくらいの長さで書けば良いですか?
A1. 全体の文字数によりますが、一般的には全体の5%〜10%程度の文字数が目安とされています。例えば、4000字のレポートであれば200字〜400字程度です。読み手が短時間で把握できる、簡潔な長さを心がけましょう。
Q2. 序論(はじめに)をそのまま概要として使っても良いですか?
A2. 序論と概要は役割が異なるため、そのまま使うのは避けるべきです。序論は問題提起や研究の動機など、読者の興味を引くための導入部です。一方、概要は結論まで含めた全体のまとめです。序論に結論は書きませんが、概要には結論まで含める必要があります。
Q3. 「概要」と「あらまし」は同じ意味ですか?
A3. ほぼ同じ意味で使われますが、ニュアンスが少し異なります。「あらまし」は、より口語的で柔らかい表現です。学術論文や公式なビジネス文書では「概要」が使われるのが一般的です。「あらまし」は、物語や事件の経緯を説明する際によく使われます。
まとめ:概要を制する者は、文章を制する
この記事では、「概要」の正しい意味から、具体的な書き方、注意点までを詳しく解説しました。
- 概要とは、物事の全体像を大まかにまとめたもの
- 目的は、読み手が内容を素早く把握できるようにするため
- 「要約」「あらすじ」とは目的が異なるので使い分けが必要
- 書き方は「構成要素の洗い出し→要点の抽出→文章化」の3ステップ
- 書くタイミングは、本文を全て書き終えた後
概要は、単なる文章の飾りではありません。
読み手との最初のコミュニケーションであり、あなたの文章全体の評価を左右する重要なパートです。
今回紹介した書き方のステップと例文を参考に、ぜひ分かりやすい概要の作成に挑戦してみてください。
関連記事(内部リンク)
- ビジネスメールの正しい書き方|基本マナーと例文集
- 【例文あり】PREP法の分かりやすい使い方と文章構成のコツ
- 議事録の書き方完全ガイド|誰でも分かりやすく書けるテンプレート
- ロジカルシンキングとは?鍛え方とフレームワークを解説
- 伝わる文章の書き方|7つのコツで劇的に改善


コメント