戦闘力の高そうな見た目の亀の手。すごく迫力がありますよね!群生する亀の手は、一瞬貝の種類に見えます。けれど実際にはフジツボに近い仲間で、実は甲殻類なんです。この記事では亀の手の分類や生態についてご紹介します。
亀の手は甲殻類
亀の手は分類学上、以下の分類に分けられます。
和名分類【動物界 – 節足動物門 – 甲殻亜門 – 顎脚綱 – 鞘甲亜綱 – 蔓脚下綱 – 完胸上目 – ミョウガガイ亜目 – ミョウガガイ科 – カメノテ属】
【亀の手の分類】
| 分類 | 学名 | 和名 |
| ドメイン | Eukarya | 真核生物ドメイン |
| スーパーグループ | Opisthokonta | |
| 界 | Animalia | 動物界 |
| 門 | Arthropoda | 節足動物門 |
| 亜門 | Crustacea | 甲殻亜門 |
| 綱 | Maxillopoda | 顎脚綱 |
| 亜綱 | Thecostraca | 鞘甲亜綱 |
| 下綱 | Cirripedia | 蔓脚下綱(フジツボ下綱) |
| 上目 | Thoracida | 完胸上目 |
| 目 | Pedunculata | 有柄目 |
| 亜目 | Scalpellomorpha | ミョウガガイ亜目 |
| 科 | Pollicipedidae Leach, 1817 | ミョウガガイ科 |
| 属 | Capitulum | カメノテ属 |
| 種 | Capitulum mitella(Linnaeus, 1758) | カメノテ |
亀の手は、「カメノテ属」の唯一の種なんです。
まだまだ、知られていない未知なる生物も多くいる中、知られている生物にはそれぞれ学名『属名+種小名または属名+種形容語』がつけられます。そしてさらに分類し、小分類 >中分類 >大分類など、体系付けすることで様々な生物グループ同士の類縁関係、それゆえ進化の系統を明らかにしているのです。
ただ、これら伝統的な分類階級というのは、人間が扱いやすくするために作った人為的なものなのです。生物の科学的知見が蓄積されるたび、分類は何度も修正されてきました。しかし、20世紀末の分子系統解析の成果によって、過去最大の大きな修正が行われました。
分類とは、例えば人間もこうした分類を行うことができるんです。
【人間の分類】
| 和名 | ヒト |
| ドメイン | 真核生物 |
| 界 | 動物界 |
| 門 | 脊索動物門 |
| 亜門 | 脊椎動物亜門 |
| 綱 | 哺乳綱 |
| 目 | サル目 |
| 科 | ヒト科 |
| 属 | ヒト属Homo |
| 種 | H. sapiens |
ちなみに亀の手は、フジツボやカニ、エビと同じ甲殻類といわれていますが、比べるとどうでしょうか?
【甲殻類の比較】
| 分類 | カメノテ | フジツボ | カニ | エビ |
| 界 | 動物界 | 動物界 | 動物界 | 動物界 |
| 門 | 節足動物門 | 節足動物門 | 節足動物門 | 節足動物門 |
| 亜門 | 甲殻亜門 | 甲殻亜門 | 汎甲殻類 | 汎甲殻類 |
| 綱 | 顎脚綱 | 六幼生綱 | 甲殻亜門 | 甲殻亜門 |
| 亜綱 | 鞘甲亜綱 | 鞘甲亜綱(フジツボ亜綱) | 軟甲綱(エビ綱) | 軟甲綱 |
| 下綱 | 蔓脚下綱(フジツボ下綱) | 蔓脚下綱(フジツボ下綱) | 真軟甲亜綱 | 真軟甲亜綱 |
| 上目 | 完胸上目 | 完胸上目 | ホンエビ上目 | ホンエビ上目 |
| 目 | 有柄目 | 無柄目 | 十脚目(エビ目) | 十脚目(エビ目) |
| 亜目 | ミョウガガイ亜目 | フジツボ亜目 | 抱卵亜目(エビ亜目) | 長尾亜目 |
同じ甲殻類ですが、どちらかというとエビ・カニよりも、フジツボに近い生物だということがわかります。確かに、見た目もまだフジツボに近いですしね。岩礁海岸の固着動物ですので、エビやカニのように移動をして生活しているわけでもありません。生涯を岩の上で過ごすのです。エビやカニは遠い親戚だといえるでしょう。ただ、味の方はエビとカニ、貝を3つ足した中間のような味です。酒の肴に最高ですよ!
亀の手は、石灰質の殻を持つ生き物なのですが、殻の配置は同類であるフジツボよりもかなり数が多くなっています。これは、原始的な構造を残しているとの説もあるのです。見た目が貝のようでも、ちゃんとした甲殻類であることがわかりました。
亀の手とフジツボの比較
亀の手は、見た目が亀の手に似ていることから付けられた名前です。フジツボもまた名前の通り、富士山の様な形の殻をしています。これら2つの違いをみてみましょう。
亀の手には筋肉質の柄があり、柄の先端が岩やテトラポットなどにくっついて、群生し固着する有柄目の生物です。流通量があまり多くはなく、決して珍しいものではありませんが、値段は高値で安定。味はエビ+カニ+貝の味がします。北海道の西南部から沖縄まで日本全国の海に生息しています。亀の手は、現在養殖はされていません。しかし、養殖も検討をしているといいます。
一方、フジツボは柄がなく、石灰質の殻が岩や船底に直接岩にくっついて群生し、無柄目の生物です。船底に大量にくっつかれてしまうと、船がムダな抵抗を受けるので燃費が悪くなることもあります。フジツボには種類があり、イワフジツボ、クロフジツボ、ミネフジツボ等があり、実際に流通しているのは大きめのミネフジツボのみなのです。フジツボは養殖がされています。価格もまた亀の手同様、高値で安定しています。フジツボの味はジャコやアサリのような味わいだと表現されることが多いです。また、フジツボは刺身として食べられることがあります。


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